国際関係論

〜アジアビジネスに必要な歴史的背景、国際政治、異文化理解から対立を超えた国際的視野を養う〜

 

 

 

 

 

講義概要

アジアビジネスの背後にある国際関係を米国、アジア、日本を中心に論じる

習得目標

国際的視野というアジアビジネスに欠かせない資質を養う

カリキュラム

第1回 | なぜビジネススクールで国際関係論を学ぶのか

第2回 | ハード・パワー、ソフト・パワー、シャープ・パワー:日米中の事例

第3回 | 米国のマーシャルプランと中国の一帯一路 :現代における歴史を学ぶ意味

第4回 | ASEANと日米中:小国の生きる知恵

第5回 | 「インド太平洋」戦略:日米豪印の新たな取り組み

担当講師

容 應萸 | Ying-yue Yung

東京大学大学院社会学研究科国際関係専門課程博士課程修了。社会学博士(東京大学)。国立シンガポール大学専任講師、ハーバード大学イェンチン研究所員、イェール大学訪問学者、亜細亜大学経営学部教授、亜細亜大学副学長を歴任。現在は亜細亜大学名誉教授、立教大学アジア地域研究所特任研究員。研究領域は国際関係論、近代日中関係史、現代中国研究。

 

思い出に残っているアジアでのエピソード

私は企業に勤めたことがなく、しかし、ずっとシンガポールと東京の大学で国際関係論や中国研究を教え、アジアについての教育に従事した。また、海外研究、現地調査や学会交流などで香港や中国、アメリカでもアジアに関係あるテーマがほとんどだ。「アジアは一つ」といわれても、種族、文化、歴史、政治、経済、社会などによるたくさんの壁を体験してきた。しかし、AIBSの一員になり、企業こそ、岡倉天心がアジア民族共通の思想として提唱する「究極普遍的なものを求める愛」、「Asia is one」の精神をもって壁を超えるパイオニアだと考えるようになった。

講義への想い

刻々と変化する国際情勢に迫るのはこの講義の目標である。グローバル化とともに人材の流動性が高まり、国境を越えた活動が進展している。一方、反グローバル化の動きはイギリスやアメリカの政治情勢を大きく左右している。また、情報通信産業やバイオ産業の興隆という「知」をめぐる国際競争が激化する。従来の環境問題の深刻化や南北格差の拡大に加え、全く誰も予想していなかった新型コロナウイルスへの対応、その収束後の回復シナリオをめぐり、V字かU字、L字と様々な議論がなされている。この講義は変化が目まぐるしい国際情勢について、様々な新情報を取り入れ、受講者とともに考えたい。

受講生へのメッセージ

ビジネススクールで「国際関係論」を学ぶという発想に馴染めない方がいらっしゃると思うが、この講義ではまずグローバル時代のビジネスにおける国際関係論の重要性を説く。激動する世界情勢を背景に、アジアで活躍したいビジネスパーソンにとって、一番大事なのは「どのような経営戦略を立て、どうやって国際社会の中で対立を乗り越えWin-Win関係を構築するのか?」ということだと思う。そのため、市場や企業組織、経営学などの基礎と応用知識を学び、異文化理解や国際政治などの視点も加えて国内外のビジネス動向を的確に把握し、正確な情報分析と適切な対応の手腕を養ってください。