経営戦略論

〜アジアとの連携による新たな価値づくりに挑む企業の共創戦略を考える〜

 

 

 

 

 

講義概要

アジアとの連携で魅力ある事業を創り上げる日本企業の価値共創戦略を実証的に論じる

習得目標

戦略的志向を持ってアジアで新たな価値創出のストーリーを創れる基礎力

カリキュラム

第1回 | ビジネスチャンスの大きなアジアで競争優位を勝ち取る価値共創戦略の推進

第2回 | ビジネスの成功に繋がる注目すべき経営戦略の 理論の整理と戦略ツールの紹介

第3回 | アジアとの共生の下にトップの事業構想力、 情報発信力、ネットワーク力の発揮

第4回 | 巨大アジア市場の開拓を目指して生活者の 視点に立った魅力ある商品の開発

第5回 | アジアの人々や企業と共に新たな価値を創れる マネジメント人材の採用と育成

担当講師

池島 政広 | Masahiro Ikejima

1975年に慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。博士(商学)。85年から2018年まで亜細亜大学経営学部教授。2003年から06年、12年から15年まで亜細亜大学学長。経済産業省産業構造審議会経営・知的資産小委員会委員長などを歴任し、現在、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構業務評価委員会委員長、研究・イノベーション学会顧問、アジア・国際経営戦略学会会長、三鷹市商工振興対策審議会会長などを務める。

 

思い出に残っているアジアでのエピソード

2003年に中国の山東大学で経営戦略論を講義する機会があった。企業の枠を超えて、グローバル下での国家プロジェクト(産官学連携)の論議で盛り上がった。勉学意欲の高さを認識すると共に、大学と産業界が一緒になって人材の育成に取り組む必要性を痛感した。その後の学長時代に、急成長するアジアに焦点を当てた大学院を設立した。また、都市創造学部を創り、若い学生にアジアへインターンシップを含めた留学を積極的に推進し、自らも度々アジアの大学と多くの現地法人の現場に足を踏み入れてきた。2006年には、大連外国語大学の協力の下に、箱根駅伝で優勝したメンバーで大連国際マラソン大会(駅伝の部)にも勝てたことは良い思い出になった。

講義への想い

企業の盛衰を左右する経営戦略を実証研究により明らかにする。基本は、企業が保持する知的資産(人、仕事の進め方やノウハウ、顧客や取引先などとの関係)を上手く活用して新たな価値を創造していくことである。この価値創造にアジアビジネスが大きく関わってきた。ビジネスチャンスの大きなアジアで成功を収めるには、その市場や働く人の価値観を熟知するアジアの人々や企業と連携して“アジア価値共創戦略”を実践していくことである。この戦略について、アジア展開する日本企業へのアンケート調査の分析結果と興味深いリアルなケースを取り上げて、受講生の皆さんと和気藹々と意見を交わせていく。講義が戦略を考え抜く一助になることを願う。

受講生へのメッセージ

企業のビジョンを達成する方策としての経営戦略を考え抜く上で大事な点は、「顧客志向」と「企業の独自性」につきる。ターゲットとする顧客は誰か、そしてこの顧客に企業としての独自な価値をいかに提供できるかということである。この価値創造のストーリー創りを皆さんと一緒に考えていきましょう。アジアビジネスもチャンスが大きいということは、より競争が厳しいことを意味する。アジア繁栄の視点で、各々の企業の経営成果に繋げていける戦略を考えていくことが不可欠になる。その際に、色々な考え方を持つ受講生との意見交換は意義がある。そして、講義の終了後も、本スクールの一員としてアジアビジネスに関わるネットワーク創りに参加いただきたい。