情報戦略論

〜これからのDXトレンド、データ資源を如何に経営戦略に活かせるか〜

 

 

 

 

 

講義概要

IoT、AI、ビッグデータ解析など新たな情報技術の産業社会や企業戦略への影響を論じる

習得目標

ビッグデータ/IOT/AI時代に対応し得る知識・情報戦略を体系的に習得する

カリキュラム

第1回 | 知識・情報社会に至るメガトレンドを俯瞰し、データ,情報,知識の相互関係を理解

第2回 | 新たな経営資源としての知的資産の位置づけ、価値評価、活用実務事例を学ぶ

第3回 | ディジタルトランスフォーメーション(DX)時代のビジネスモデル変革を学習

第4回 | 独のIndustry 4.0、米のIIOLなどDX時代の世界の産業構造変革について学ぶ

第5回 | 価値創造に向けての知識経営論を体系的に学習し情報戦略の果たすべき役割を理解

担当講師

広崎 膨太郎 | Boutarou Hirosaki

東京大学工学部卒日本電気株式会社入社、1986年東京大学工学博士、2004年日本電気常務、2006年専務、2008年代表取締役副社長、2010-2019年特別顧問、2012-2017年亜細亜大学経営学部特任教授を兼務、公職では国際機関OECD/BIAC技術委員会委員長、日本政府関係では経産省産業構造審議会、総務省情報通信審議会、文科省文化審議会、国立研究開発法人審議会委員などを歴任。電子情報通信学会フェロー、日本工学会フェロー、米国IEEE終身フェロー、現在国際社会経済研究所アドバイザー

思い出に残っているアジアでのエピソード

私は研究所時代、事業部時代を通して世界50か国以上の国とお付き合いをしました。アジア事業との関係も深く、特に中国との間では、共同研究開発事業、光通信製品現地生産事業、大型液晶パネル生産合弁事業など幅広いお付き合いをしました。こうした経験を通じて学んだことが二つあります。第一に、日本もアジアの一員であり、欧米の契約主義とは異なる信頼主義とも言うべき価値観を共有していること。第二に、アジアは多民族、多文化、多言語、の複層社会であり、異なった商習慣とビジネスモデルを認め合わなければならないことです。これからの若い世代にはこうしたダイナミズムを身に付けて欲しいと思っています。

講義への想い

私の担当する情報戦略では、どのような情報をどのような経営資源としてどのような形でこれからの経営戦略に組込むべきかを考察することに重点を置いています。そのためには、データサイエンス、人工知能などのマクロな技術動向のみならず、データ資源の取り扱いに関する法的、経済的側面を学習することにより、知識・情報のもたらす価値創造メカニズムを理解することが不可欠となります。講義を通じてできるだけ具体的事例に触れることにより、これからの時代を担う若い世代の価値創造への直観力を養いたいと思っています。

受講生へのメッセージ

スイスのIMDによれば、現在日本の産業競争力ランキングは20年前の1~2位から何と34位まで落ちているとのことです。もちろんその背景には、日本に不利な評価指標(例えば英語力)が増えていることもあるでしょうが、世界とおつきあいをしていて、残念ながら、日本のレゾンデートルが低下していることは否めない事実です。しかし、わが国には伝統的にしっかりした倫理観と向学心とが根付いています。机上の論議ではなく実務で学び取ったこのビジネススクールの諸先生方の知恵を貪欲に吸収して頂きたいと思います。